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物流・輸送

インターモーダル輸送とコンテナ回転率:待機時間はどこで生まれるか

AsparImpex 編集部 4分で読めます
インターモーダル輸送とコンテナ回転率:待機時間はどこで生まれるか

コンテナ一本が出発地から目的地へ運ばれ、空になって次の貨物に使える状態へ戻るまでの効率を、回転率という指標で捉える。回転が速いほど、同じ数の機器でより多くの貨物を運べる。しかしこの指標は、平均という一枚の数字にまとめられることで、実際にどこで時間が失われているかを見えにくくする面がある。

回転率という指標が隠すもの

回転率は、輸送区間ごとの所要時間の合計だけでなく、区間と区間のあいだの待機時間を含んでいる。国連貿易開発会議(UNCTAD)が毎年公表する海上輸送のレビューや、世界銀行がまとめるコンテナ港湾のパフォーマンス指標でも、船の在港時間や貨物の滞留時間といった「止まっている時間」が、港湾の効率を測る中心的な指標として扱われている。ところが改善の議論は、しばしば船や列車やトラックの走行速度、つまり動いている時間に向かいがちである。実際には、コンテナが最も長く止まっているのは、輸送手段に乗っていないあいだ、すなわち港のヤードやターミナル、内陸のデポで次の輸送を待っている時間であることが多い。動いている時間を数パーセント縮めるより、止まっている時間を削るほうが、総所要時間への効きは大きい。

待機時間はモードの接続点で生まれる

インターモーダル輸送は、海上、鉄道、トラックといった複数の輸送モードを組み合わせて一貫輸送を実現する。効率の源泉である一方、モードが切り替わる接続点は、待機が集中する箇所でもある。船から降ろされたコンテナが鉄道の便を待ち、鉄道から降りた貨物がトラックの引き取りを待つ。それぞれのモードは自らのスケジュールで最適化されており、隣のモードの都合とは必ずしも同期していない。

この非同期が、接続点での滞留を生む。あるモードが効率よく大量に運び込んでも、次のモードの処理能力がそれに追いつかなければ、貨物は接続点に積み上がる。個々のモードを局所最適化するほど、接続点の不整合はかえって際立つことがある。港湾混雑が長引いた局面でも、岸壁の処理ではなく背後の接続で回転が止まった。この構図は港湾混雑が示した設計上の弱点で見たとおりである。

データ連携の断絶が生む見えない滞留

接続点の待機を大きくする根の一つは、モード間で予定情報が共有されないことにある。船の到着予定、鉄道の空き、トラックの引き取り可能時間が、それぞれ別々のシステムに閉じていると、次のモードは貨物が来てから初めて動き出す。予定が事前に共有されていれば、受け入れ側は先回りして機器や人員を配置できるが、断絶があるとその余地が失われる。

  • 到着予定が共有されず、受け入れ側が事後対応になる
  • 機器の位置情報が分断され、空の返却が遅れる
  • 予約枠と実到着のずれが吸収されず、待機列が伸びる

もっとも、データを繋げば自動的に滞留が消えるわけではない。共有された予定が頻繁に変われば、受け入れ側の準備はかえって空振りする。連携の価値は、情報の量ではなく、予定の確度と更新の規律に依存する。

回転率を上げる設計の勘所

以上を踏まえると、回転率の改善は輸送の高速化ではなく、接続点の設計に重心がある。第一に、平均ではなく接続点ごとの待機時間を分解して測ること。どこに滞留が偏っているかが分からなければ、対策は的を外す。第二に、予定情報を接続の相手と共有し、受け入れ側が先回りできる状態を作ること。第三に、空機器の返却という見落とされがちな流れを回転の一部として管理することである。輸送を速くする投資よりも、止まっている時間を可視化して削る運用のほうが、費用対効果で優ることが多い。回転の効率は、海運の運賃や規制の変化とも無縁ではなく、海運の脱炭素をめぐる移行期の現実のような外部条件の変化が、接続点の余裕を一段と重要にしていく。

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